2009年 02月 20日
静かな静かな夜
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我が家の近所には、この家に引っ越して来た当初から、チョコレート色のそれは美しいのら犬がいました。
夜の間、近所の車の見張りをしてくれているおじいさんにもとてもなついていて、この付近の人の誰もが、おそらく勝手に「ここの犬」と思っていたのではないかと思っています。
でも、ノラで大きくなってしまった以上、今更家の犬にはなれません。
ノラはノラのまま、なんとなく地域にかわいがられながら生きていました。
このチョコときたら喧嘩にはめっぽう弱いらしく、しょっちゅう血のにじんだ傷をどこかに作っていたりしたのをいつも心配していたのですが、この半年ほど、ようやく仲間と言える犬に出会えたようで、夜になると黒と茶色の犬といっしょに、走り去る車を後からおいかけては吠えるという、微妙に「?」な形で番犬を努めてくれていたのです。
ところが先日のお昼。
棒の先に鎖をつけた道具によって、チョコは誰かにつかまえられて、トラックの荷台に載せられて行ってしまったのと、娘が教えてくれました。
たまたま一緒にいたモロッコ人が「予防接種をしてくれるんだよ」と言ったらしいのですが、その夜、私は娘に言いました。
野良犬はね、どこの国でも、時々集められて殺されてしまうんだよ。
日本ではつかまえられてから3日だけ猶予があって、その間に引き取られた幸運な犬は死ななくて済むけれども、そうでない犬は、みんな殺されてしまうんだよ、と。
その犬の事が大好きだった娘も私も、話をしながら泣きました。
でも、ノラとして育ってしまったその犬は、首輪をつけて引き取ろうとしても、きっとついては来なかったでしょう。
だから仕方が無いんだよ、と話をしながら、二人してぼろぼろ泣いてしまいました。
その夜は、近所にいつも響いていた犬達の吠え声はひとつも聞こえず、とても静かな静かな夜でした。
近所の犬の中でも一番かわいらしくて、人なつこかったチョコ色の犬。
だから棒切れにも驚かないで、つかまえられてしまったのね。
もしもその現場にいたら、「私が世話をしますから!」って引き取ったのに。
たまたま家に居なかった事を悔やみながら、名前さえもつけなかった、茶色のまゆげのチョコ色の犬が、いつかまたフラッと近所に戻って来てくれはしないかと、夜になると耳をすましてしまう母子なのでした。
夜の間、近所の車の見張りをしてくれているおじいさんにもとてもなついていて、この付近の人の誰もが、おそらく勝手に「ここの犬」と思っていたのではないかと思っています。
でも、ノラで大きくなってしまった以上、今更家の犬にはなれません。
ノラはノラのまま、なんとなく地域にかわいがられながら生きていました。
このチョコときたら喧嘩にはめっぽう弱いらしく、しょっちゅう血のにじんだ傷をどこかに作っていたりしたのをいつも心配していたのですが、この半年ほど、ようやく仲間と言える犬に出会えたようで、夜になると黒と茶色の犬といっしょに、走り去る車を後からおいかけては吠えるという、微妙に「?」な形で番犬を努めてくれていたのです。
ところが先日のお昼。
棒の先に鎖をつけた道具によって、チョコは誰かにつかまえられて、トラックの荷台に載せられて行ってしまったのと、娘が教えてくれました。
たまたま一緒にいたモロッコ人が「予防接種をしてくれるんだよ」と言ったらしいのですが、その夜、私は娘に言いました。
野良犬はね、どこの国でも、時々集められて殺されてしまうんだよ。
日本ではつかまえられてから3日だけ猶予があって、その間に引き取られた幸運な犬は死ななくて済むけれども、そうでない犬は、みんな殺されてしまうんだよ、と。
その犬の事が大好きだった娘も私も、話をしながら泣きました。
でも、ノラとして育ってしまったその犬は、首輪をつけて引き取ろうとしても、きっとついては来なかったでしょう。
だから仕方が無いんだよ、と話をしながら、二人してぼろぼろ泣いてしまいました。
その夜は、近所にいつも響いていた犬達の吠え声はひとつも聞こえず、とても静かな静かな夜でした。
近所の犬の中でも一番かわいらしくて、人なつこかったチョコ色の犬。
だから棒切れにも驚かないで、つかまえられてしまったのね。
もしもその現場にいたら、「私が世話をしますから!」って引き取ったのに。
たまたま家に居なかった事を悔やみながら、名前さえもつけなかった、茶色のまゆげのチョコ色の犬が、いつかまたフラッと近所に戻って来てくれはしないかと、夜になると耳をすましてしまう母子なのでした。
by mayoikata
| 2009-02-20 04:35
| 日常雑感