この国の未来に、何ができるか

さて、報道等で既にご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、２月２０日、モロッコ各地で昨今の情勢に同調する形でのデモが発生しました。
デモそのものは、フランスに倣ってか比較的多いモロッコ。
このため各地でのデモは、いつも通りかそれ以上に平和に行進して終わった様子ですが、他国の騒ぎでお祭り騒ぎゴコロに火がついてしまったのか（何しろ熱しやすい性格なので）、あるいは「世界がこうして注視する中、警察も手出しできないだろ？」と、ズル賢く考えたのか、一部の暴徒が騒ぎに乗じてこの時商店や銀行、役所等を襲ってパソコンや現金、数々の商品等を盗む騒ぎが発生し、この事で１２０名を越える人がこうした略奪行為や放火等に関与した事で逮捕され、５名の方が暴徒に放火された銀行から逃げ出す事ができずに亡くなるという事件が発生しました。

どのような主張をする人であれ、また単に便乗して泥棒をする事で今日の自分の生活を支えたかっただけであれ、結局はいずれの立場から見ても、自分で自分の首を絞めるような騒ぎをモロッコ人自身が起こしてしまった事が、深く悲しく、とても残念でなりません。

この状況で私は何を言えばいいだろう。私は何を感じているのだろう…。
この１週間、そんな事ばかり考えていました。

あれを言おうか、これを伝えようかとさんざん迷いましたが、結局たどりついたのは、何を言うかではなく、やはり私自身がまず自分の信じる良い社会の実現に向かって邁進し、その事が独りよがりにならず、できるだけ他人にも利益となって還元されるよう配慮しながら努力するという事が、私に出来る一番の「モロッコがんばれ！」という応援であり、国の混乱をもたらすような一切の行動に反対するという意思の表明なのではないかという事です。

それぞれが理想とする「良い社会」というのは人の数だけ存在する以上、またそうした事を考えるのが許される社会に生きている限り、時には対立する考え同士の衝突が生まれる事も「自由」である事の運命の一つかもしれません。
だとしたらこれからも対立や争いが世界から絶える事は、おそらく無いでしょう。

でも、だからこそ今の自分に出来る事からまず一歩！
そうした一人一人の努力が、より「この国に生まれてよかった」と思えるような国を作っていくのだと信じて…。